「ビッグ・フィッシュ」 2003年 アメリカ
ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD] ダニエル・ウォレス ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-30 by G-Tools |
主演はユアン・マクレガー。この人は「トレイン・スポッティング」の印象が未だに強いのだけども、典型的な底抜けに明るいアメリカ人もこなせる人だ(もっともイギリス人だけど)。他にもジェシカ・ラングやスティーブ・ブシェミ、ヘレナ・ボナム・カーター、アルバート・フィニーと脇役も超豪華。
とにかく涙なしでは見られない。心暖まる素晴らしい作品だ。
<ここからネタバレの可能性あり!!>
あらすじ
エドワード(ユアン・マクレガー/アルバート・フィニー)は社交的で、いつも周りを笑わせる。でもいつも笑わせる話は荒唐無稽でありえない話ばかり。いつもそんな調子で現実と空想の境目がない。
息子のウィルはそんなエドワードが嫌いだった。作り話も5歳までならいい。でも20にも30にもなって、もうすぐ子供だってできる年になってもそんな調子で語りかけてくるエドワードが嫌いだった。ずっと、作り話をするのも、小さい頃はエドワードは家に帰ってこなくて、たまにしか帰ってこないから必死に作り話で場をつないでいたんだろうと思う。
でもそんなエドワードも体を壊し、もうすぐ死んでしまいそうだった。ウィルと妻のジョセフィーンはエドワードのもとに向かうが、エドワードは「俺はこんな死に方はしない」といい、また荒唐無稽な話をしだして…
結局、最後のベネット医師の話がすべてで、「つまらない真実よりも、楽しいホラ話の方がずっといい」に集約される。ウィルの予想は半分当たっていて、エドワードはきっと必死になって営業のために各地を回っていたんだろう。でもそんな必死になっている話を、たまにしか会えない息子ウィルに語ったところで全然面白くない。家族を愛するが故に、エドワードはホラ話で家庭を明るくしたかったのだろう。残念ながら大きくなったウィルはそこには気付かなかったが。
でもウィルは最後にはそれに気付く。そして小さな頃からずっとエドワードに何百、何千というストーリーを聞かされていたウィルはエドワードの想像を超えるストーリーを作り出す。もう、ここが涙なしでは語れない。
この最後に向かっていくまでに散りばめられた、小さなストーリー達をティム・バートンならではの映像美で作り出し、現実と空想を交互に映し出す。これが効果的だ。
それぞれのストーリーもロマンチックで、サーカスからジェシカ・ラングを捕まえるところがめちゃくちゃ好き。
そして最期に、これまで語られたキャラクター達が一同に集まり、ホラが全くのホラではないこと、エドワードはやっぱりみんなに愛されていたことがわかる。まるでウィルが語った最期が現実になったようだ。なんて幸せな最後か。