「3時10分、決断のとき」 2007年 アメリカ

B002PF324O3時10分、決断のとき [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル 2009-11-20

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 「ビューティフル・マインド」「グラデュエーター」のラッセル・クロウと、「ターミネーター4」「ダークナイト」「マシニスト」のクリスチャン・ベイルの2人が主演を張る西部劇。ブサイクながらも、画面から汗臭さがにじみ出てくる気がするほど男臭くてかっこいいラッセル・クロウと、男前なんだけど、なんか陰気な影があるようなアブないイメージがあるクリスチャン・ベイルと好対照の二人がいい演技を見せている。
 アメリカで公開された時には評価されていたらしいのに、なぜか日本で今頃、しかもかなり映画館が限られた状態で公開されました。なんでだろう?
 西部劇らしく、「漢」と書いて「おとこ」と呼ぶ。かっこよければ理屈もクソもねぇ。プライドと友情と愛があれば後は何もいらんのよ。たとえ命でさえもね。これって何か日本の時代劇と一緒だね。だからそのつもりで見ればかっこいいこと!でもツッコミ症の人が見ると(つまり俺)、かなーり不思議な点が出てくること間違いなし。だからあらかじめ言っておく「あたまからっぽでみること!」これ大事。

 あらすじ
 ダン(クリスチャン・ベイル)は南北戦争に参加した名狙撃手だったが、片足を失い故郷に戻って来た。病気の末っ子がいて薬代はかさばり、雨が降らないせいで家畜のエサも育たない。借金はどんどんふくれあがり、ダンの土地を鉄道用敷地にしてしまいたい借金取りから嫌がらせを受けるもダンは抵抗せず、その情けない態度がダンの長男ウィリアムを苛つかせ侮蔑のまなざしを向けられる。
 そんな時、20件以上もの強盗を働き名を馳せたベン・ウェイドがダンの家の近くで強盗を働く。ダンはその強盗を止めることもせず、また馬を奪われても何も抵抗しない。ウィリアムはベンのその強さにほれ、ダンの情けなさに苛つく。
 ダンは借金の返済について相談しようとビズビーの街に着き、酒場に酔ったとき、目の前でベン・ウェイドが捕まった。ベン・ウェイドをユマの刑務所まで連れて行こうとするが、果たしてこの極悪人ベン・ウェイドを連れて行けるものか。手下たちが取り戻しにくることは必至だ。その時、あの臆病者ダンが200ドルで護送団に加わることを申し出た。
 ユマ行きの電車は3時10分に出る。あと2日でそこまで辿り着けるのか…

 <ここからネタバレの可能性あり!!>
 正直突っ込みどころ満載だ。ベン・ウェイドを隣合わせでみんなで寝て、案の定、タッカーがやられる。次々やられて行くのに、特に警備を厳重にしようともしない。せめて後ろ手に縛るだけでも変るだろうにそれすらしない。中国人ってあの時代にあんなにいるのかも不思議だし、しょっぱなも出会ってすぐに歌手と寝るのもまた不思議だし…何よりも最後のシーンでなぜベンは仲間を殺してしまったのか。「えぇっぇえー!」ってなりますよね。これまで仕えて来てくれた仲間なのに殺すんかいと。いやね、確かにベンとダンの間に友情が産まれ、ベンにとってはユマに行ったとしてもなんせ2回も脱走できた刑務所だから痛くもかゆくもないんでしょうがね。だからってダンを殺すなと言ってなかった訳で、必死に助けに来たのにあんなに簡単にころすかね?他にも牛を使ってスキを作るのはいいけどさ、それよりも打てってとかね。突っ込みどころはめちゃくちゃある。ビックリするほどある(笑)
 でも、あのラッセル・クロウの得体の知れない魅力、ダンの切なさが良くにじみ出ている。この映画はそんなツッコミを抜きにして二人のかっこよさを堪能する映画なんだと割り切らなければならない。