「メランコリア」を読んで
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/09/20
- メディア: 文庫
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物語はヤザキの独白である。それもずーっと、独白である。何ページも何ページも独白である(笑)前作ではほとんど語らなかったヤザキが延々と話す。
ただ、正直、読んでて辛い…いや、物語がどうとかじゃなくて、文体が…エクスタシーではその読みづらさがドラッグの陶酔感とマッチしていて苦痛じゃなかったが、前回のような毒気がないとただただ読みづらくて…
あらすじ
ジャーナリストのミチコは、一時期行方がわからず、一説にはホームレスになっていたというミュージカルのプロデューサーであるヤザキにインタビューを申し込んだ。
ミチコはヤザキがなぜホームレスになったのか、なぜホームレスからカムバックしたのかを聞きだそうとしていたが、ヤザキはそうともしらずいきなり最新作の話を始める。
すこしづづ、ホームレス時代の話に持っていこうとすると、ケイコとレイコという二人とのドラッグとセックスに満ちた話を始めていき、それを聞いていたミチコは嫌悪感を感じながら…
<ここからネタバレの可能性あり!!>
いやね、正直辛かった。ヤザキの話はあっちこっち飛びまくり、ケイコとレイコの話に振り回されて付いていくのがやっとだった。
でも、今回のこの話は正直あまり好きではない。ミチコがどう落ちていくのかも投げやりというか、前作を読んでいる俺は規定路線としてミチコが落ちていくのがわかっていたからいいけれど、初めて読んだ人はぽかーん?って感じではなかろうか。だってミチコが惹かれる理由なんてないし。いや、ミチコ自信がわかる必要なんてないよ、ミチコ自信は"なんでか惹かれた"でいいんだけど、読んでるこっちはわからないと…エクスタシーはその点、明快だった。そりゃ落ちるさって感じ。まぁ、俺が女の心を読めないだけなのかもしれんがね。
でも最後のセックスもうーん、って感じだし(あえてまともなセックスをしたとしても)、そして最後の最後にしたって、読者に想像を任せすぎの気がするなぁ…
と言うわけで、あんまり好きじゃない。でもここまできたら「タナトス (集英社文庫)」も読むぞ!