「テープ」 2001年 アメリカ

〜サラっとギュっと見れる映画〜

テープ [DVD]

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 久々の、映画レビューですね。書きたい映画はたくさんあるんですが、なかなかタイミングを逃すと書きにくいもので…と言うわけで、今回紹介する「テープ」はおもしろかったので、タイミングを逃す前に書こうかと思います。
 「テープ」の主人公はイーサン・ホーク。彼の出ている映画で僕がすきなのはたくさんあります。「恋人までのディスタンス」もそうだし、ガタカも好きだし、大いなる遺産もそうだし。とにかくいい俳優です。てか彼ってまだ35歳なんですね。てっきり40代かと思ってました…
 そしてヒロインはユマ・サーマンイーサン・ホークの奥さんです。パルプ・フィクションで演じたいかれ女役が大好きです。競演したのはガタカ以来なのかな?
 さらに監督はリチャード・リンクレター。恋人までの…の監督で、ウェイキング・ライフ等の実験的な映画を取り続けている監督です。
 この映画は"ワンセット物"と言う、1箇所だけで撮影されたものです。「アルビノアリゲーター」とか「キューブ」とかのように(「ライヤー」もワンセットって言っていいのかな?)、1つの部屋だけで撮影された低予算映画です。こういう映画はアイデア勝負!そしてこの映画で見せたアイデアは最高でした。

 あらすじ
 消防署の署長にヤクを売りながら、消防署で働いているヴィンセント(イーサン・ホーク)は、高校の友達で今は売れないながらも映画監督をしているジョン(ロバート・ショーン・レナード)が映画祭に映画を出展すると聞いて映画祭にやってくる。ヴィンセントのモーテルにやってきたジョンはヴィンセントと過去の話に盛り上がる。そのときふと高校時代の恋の話になった。ヴィンセントが付き合っていたエイミー(ユマ・サーマン)は今は地方検事補になっている。エイミーは高校時代にヴィンセントと付き合い、高校間際になって別れた。しかし、その直後ジョンと関係をもったらしい。ヴィンセントはそれが気に食わない。ヴィンセントは言う、"何があったんだ?"。ジョンは"何も無いよ"。
 10年も前の高校時代の話である。でもヴィンセントは執拗に聞いてくる。"いいだろ?10年も前の話なんだ。何があった?"

 <ここからネタバレ!!>
 いやー、イーサン・ホークがいい味だしてましたね。"PARTY"のフリとかイカレててよかったですよ。粗野な感じの役もこなすし、イケ面の役もこなすし、好青年の役もこなす。なかなか幅の広い俳優だなと思います。ちょっと30代とは思えない渋さが最近額を中心に出てきてしまいましたが(笑)ただ時々マッド・ディロンと区別がつかないときがあります(似てません?似てないですか、そうですか)。
 ワンセットで取る映画ってのは、その狭い空間が出す緊張感ってのがいいですね。ですから自然とサスペンス物が多くなってくるんでしょうね。最初はイーサン・ホークが優位にたつ、でもこのときはただイーサンが嫉妬心からめちゃくちゃ言ってると思ってました。でもいったん告白を引き出すと勝手にジョンのほうから落ちて行く。でもユマ・サーマンは認めないので話が訳わからなくなっていく。
 "ん?何か裏があるのか?"、"結局、なんなんだ?"と頭を振り回されましたね。と言うことはちゃんとリンクレターの罠にはまったと言うわけで。
 映像もDVで取ってるためか、乾いて見えて、くらーい感じがいい雰囲気をかもし出してましたね。80分台と短い映画ですが、リアルタイムに取っている形を取っているので、とっても濃いです。さらっとぎゅっと見れる映画。お勧めですよ。