「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」 2001年 アメリカ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]

 今回紹介する映画は「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」。この映画はシネリーブル神戸で観た映画。公開する数ヶ月前から気になってた映画でした。でもあんまり前情報が無くて、あんまり良くわからないまま観た映画ですが、本当におもしろかった!大好きな映画の一つです。ただ惜しかったのは、近くのバーでやっていた"ヘドウィグ・ナイト"に行かなかったこと!さすがにちょっと怖かった。
 この映画は、もともとオフブロードウェイ*1から始まり、最後にはブロードウェイまで上がった人気ミュージカルです。ミュージカルと言うと、ちょっと遠慮する人がいるかもしれませんが、これはロックなので全然気にしなくてOK!
 本当にこの映画は音楽がいい!僕はこの映画を観たその足でサントラを買い行きました!もう本当にいい曲!なんなら、映画を観なくても、そのままDVDを流しっぱなしにしたい感じ。
 濃い内容にもかかわらず、約90分という短さには好感をもてますね。正直もうちょっと長くてもいいような気がする。というかもうちょっと長くみたかったけど(笑) でも、この短さなら皆さんも手軽に見る気になれるんじゃないでしょうか?いったん好きになると、2時間でも3時間でもいいんですが、最初に観るときはやっぱり長いと敬遠しがちですよね。僕はそれで"七人の侍 [DVD]"を2年間も見れなかった。(7人の侍はなんと3時間半もある。ビデオは当然2本組み)。どうしても踏ん切りがつきにくいですよね。
 画像にもあるとおり、かなりイっちゃってる感があるヘドウィグ。あらすじを読むと、「暗い話?」と聞かれますけど、全然!!!流れる音楽がそんな気持ちを吹き飛ばしてしまいます!

 あらすじ 
 ドラッグ・クイーン*2のヘドウィグは、旧東ドイツ生まれで、西側の国にあこがれる。しかし、アメリカ兵のハンセルと恋に落ち、性転換手術を受けてアメリカへとわたろうとするが、そのとき手術に失敗して股間に怒りの1インチ(アングリーインチ)が残ってしまう。アメリカへとわたることができたヘドウィグだが、ハンセルは新しい恋人(♂)を見つけてさってしまう…そのときベルリンの壁が崩壊し、ドイツは統一され、何の犠牲も無くアメリカにわたれるようになる。ヘドウィグは自分の人生が終わったと思う。
 しかし、ヘドウィグはめげず、トミーという少年と恋に落ちる。ヘドウィグはいっしょになって曲を作り、バンドとして人気が出てくるが、突如トミーはヘドウィグを捨てる。そしてあろうことか、2人で作ったうたを盗んでアメリカのロックスターの座まで輝いてしまう…
 ヘドウィグはそれでも力強く生きる。トミーを追いかけ、バンドを結成し、トミーの全米コンサートのある土地で自分もコンサートを開いて追いかける…

 <ここからネタバレ!!>
 僕個人的には、"Origin of Love"が一番好きです。神話を元にして作られたそうですが、なんかジーンと来ますよね。ほかにも、"Wig in a Box"とか、もちろん"Angry Inch"とかも大好きです!
 最初"うわっ!どぎついな〜〜"と思うヘドウィグですが、時々ドキッ!とする瞬間がありませんでした?やばい、ちょっとキレイかも、みたいな。死んでもあっちの世界にはいかんぞ。
 ヘドウィグは本当に強い!何度裏切られても、力強く生きます。自分を信じて生きていきます。でも、裏切られたときは凹んでしまったりもします。そのときにヘドウィグを救ったのは"音楽"なんですね。
 僕が一番よかったと思うこと。一見ヘドウィグはその外見や行動から、"僕らとは違う人間"と思ってしまいそうになるけども、そんなヘドウィグがほしかったものってたった一つ、"愛"ですよね。それも普通の愛。あんなヘドウィグもほしいものはものすごくささいな、普通なものなんですね。そこが本当にいいなと思った。そしてそんなヘドウィグに"そのままでいいよ。そのままで輝いてるよ"というメッセージを与えるところが、深いな〜〜〜って思いました。
 この映画は本当にハマりましたね。何度見ても面白い映画。グラムロックやドラッグクイーンの映画を見たことがなかったんですが、この映画を見てからしばらくハマり続けてしまいました。

*1:NYのブロードウェイの近くでやっているミュージカルで、ブロードウェイの一つ下の格

*2:男が女の格好をして、ロックを歌う。基本的には口パクで人の歌を歌う。