「ミステリー・トレイン」 1989年 アメリカ・日本

B002HMLE0Eミステリー・トレイン [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2009-09-25

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 「ゴースト・ドッグ」や「パーマネント・バケーション」、「コーヒー&シガレッツ」などで有名なジム・ジャームッシュ監督が描く、メンフィスのとあるホテルを舞台にした3つのストーリーから構成される群像劇だ。
 その最初のストーリーは、永瀬正敏工藤夕貴だ。工藤夕貴がとにかくカワイイ。そして永瀬はカッコイイ。 メンフィスにエルビス・プレスリーたち初期のロックの聖地巡りにやってくるカップルをこの二人が演じる。どうやったらこんなに可愛くなるのかと思うほど工藤夕貴にメロメロになることマチガイなし。他のストーリーにもスティーブ・ブシェミなんかがでてたりしてまた面白い。
 同じ時間帯、そして同じホテルを舞台に、特にストーリーとして絡むことはないけれど、それとなく同じ時間を共有していることがわかる演出が小憎い。

 あらすじ
 ジュン(永瀬正敏)とミツコ(工藤夕貴)はプレスリーの生まれ故郷メンフィスに旅行にやって来る。しかしロクに英語もできない二人は現地のガイドの言っていることもわからず、ホテルもあやうく取れないレベルだった。でも初めて来るメンフィスと故郷の横浜と違うようで同じような雰囲気が何となく気に入っている。まだ付き合って浅く、ジュンは無口だから多くをしれないが、その寡黙さにミツコは惚れているようだ。
 ルイーザは夫をなくしたばかりの未亡人で、飛行機トラブルのせいでメンフィスで一晩過ごすことになってしまった。新聞を勧められればついつい勧められるがままに買いすぎ、怪しい詐欺師に嘘の話をされれば話を聞いてしまうし、若い娘に乞われれば相部屋も厭わない。そんな同じホテルの部屋に泊まったとき…
 ジョニーは仕事を首になり、ヤケ酒を飲んでいた、ウィルとチャーリー(スティーブ・ブシェミ)は一緒に慰めてやるが、ジョニーは銃を持っていて…
 <ここからネタバレの可能性あり!!>
 あの最初のストーリーに流れているラジオ。エルヴィスのブルームーンが2話とつながり、フロントで流れた強盗事件のニュースは3話とつながり、マッチーズがナッチェスにつながる…ストーリー自体は全く関係がないのに、それぞれがゆるくつながる。しかもそのつながり方がおしゃれすぎる。
 ジュンとミツコのやり取りがものすごく好きで、横浜とメンフィスは似てるとジュンがいえばミツコは違うといい、ミツコが似てるんでしょ?と聞けば似てないという。ジュンが面白くライターをつければミツコは足でつけて対抗しようとする。セックスのあとジュンがそっぽ向けばミツコは抱いてという。この二人の雰囲気がたまらない。
 二話目の主人公はすごい美人ですよね。でも思いっきり腋毛が生えていてびっくりしますよね(笑)その後のデリでの新聞のやりとり、そしてエルヴィスの怪しい話を聞いて10ドル払って追い出す下りが面白い。オチ自体はユーレイネタとぶっ飛んでましたが(笑)
 三話目は二話目で出てきた女の彼氏の話。チャーリー(ブシェミ)が本当にいい味出してますね。最初は義兄弟だからといやいややってくる。ここが二話目とあわなくて、あれ?結婚してなかったんじゃないんだっけ?と思ったらチャーリーには結婚したことになっていたんですね。だから人を撃ってもどうにかしてやろうとした。でもそれもポロッとバラしてしまってぶち切れる。
 で、二話目と三話目はディディとジョニーで繋がっているんだけど、一話だけが浮いているなと思ったら、ちゃんと最後のディディとミツコ達が同じシーンを共有してつながるんですよね。マッチーズとナッチェスで。