「ニコラス・ケイジのウェザーマン」 2005年 アメリカ

ニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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 「ニコラス・ケイジの…」と思いっきりついているのでわかるでしょうが、主演はニコラス・ケイジです(笑)しがないお天気キャスターの話。そして競演者としてマイケル・ケインが。昨日ダークナイトマイケル・ケインを観ていたばっかりで、まさか二日続けて彼を観るとは。
 パイレーツ・オブ・カリビアンの監督でありながら、本作はとってもシリアス。めちゃめちゃ暗い。そんな中で、ニコラス・ケイジマイケル・ケインの怪演が光る!この二人はやっぱりすごいわ。

 あらすじ
 デイブ(ニコラス・ケイジ)はローカル局のニュース番組でお天気キャスターをしている。別に天気予報士の資格を持っている訳ではなく、ただカンペをカメラの前で読むだけ。確かにグリーンスクリーンの前で自然にしゃべるのはそれなりにこつがいるが、たいしたことはない。でも年収は24万ドルを超える。楽な仕事だ。
 しかしそんなデイブを悩ますものがある。一つは離婚した妻とその子供達。デイブはまだ妻を愛しているが、会うたびに喧嘩になってしまう。娘はバレエをしつつも肥満児で、学校ではいじめられ、息子はドラッグ疑惑でカウンセリングを受ける始末。そして父は家庭的でピューリッツァー賞を受賞するほどの作家と完璧である。完璧であるが上にそれがプレッシャーになる。悩みに押しつぶれそうで、暗い顔をしていると、泣きっ面に蜂と街でシェイクを投げつけられる。
 そんな中、デイブはステップアップをしようと狙っていた「ハロー・アメリカ」のお天気キャスターのオーディションに呼ばれる。「ハロー・アメリカ」は全国ネットの番組だ。ギャラもアップするし、NYに移れば子供達も更正するだろう。そうだ、NYで妻もみんなも呼んでやりなおそう…

 <ここからネタバレの可能性あり!!>
 結局、デイブは完璧だった父を追いかけすぎて、でもなりきれなくて子供達の問題を認められず、それを妻のせいにしていた。そして妻と仲が悪くなり、その妻との喧嘩を見た子供達はよけいに悪くなり…というデフレ・スパイラルにはまっていた。
 「ハロー・アメリカ」の座はつかむにはつかめた。でも妻は戻ってこなかった。このままでいいのだろうか?プレッシャーに押しつぶされそうなデイブは逃げ出したくなる。しかし、父から意外な言葉をかけられる。「人生はクソだ。捨てなければならないものもある」
 作家の父の言葉だから、本当かどうかはわからない。つぶれかけた息子を思ってのことかもしれない。でもこれでデイブは救われた。すべてを満たすことなんて必要ない、自分の身の丈にあうように、なるようになればいいのだ、と。