「インサイド・マン」 2006年 アメリカ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2007/06/14
- メディア: DVD
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大好きなスパイク・リーと、あんまり最近好きではないデンゼル・ワシントンの久々のタッグである。ほかにもウィレム・デフォーやジョディー・フォスターなど、名優を惜しみなく投入していて贅沢だ。
なんでおもしろい映画だったのに、忘れていたのか不思議だが(多分最後があっさりしすぎてたからかな?)、一度は観ても損はないいい映画である。ストーリー(計画のトリック性)はもちろんのこと、脚本も面白い。
あらすじ
ダントン・ラッセルはマンハッタン信託銀行を襲う計画を立てる。仲間達で迅速に銀行内を制圧したタイミングで、交渉人のフレイジャー刑事(デンゼル・ワシントン)が到着する。フレイジャーは警察内の内部調査で証拠品の横領を疑われている。出世欲の強いフレイジャーはこの事件の解決で名誉挽回を伺っている。
常に冷静なダントンはさまざまな要求をフレイジャーに要求する。フレイジャーは交渉人として、要求を少しでも遅らせるべく時間稼ぎにはげむ。
一方、マンハッタン信託銀行の会長アーサー・ケイスからの密命を受け、弁護士のマデリーン・ホワイト(ジョディー・フォスター)は事件に圧力をかけて、介入しようとしてくる。
しかし、何かがおかしい。フレイジャーは時間稼ぎをしているが、冷静で切れ者のダントンはじれない。圧倒的有利な立場はダントンであるにも関わらず、強権を振りかざすでもなく、計画に遅れがでても余裕である。もしや…
<ここからネタバレの可能性あり!!>
ひさびさに犯罪者側が勝つ映画じゃなかったかな(フォーン・ブースとかってどうだったっけ?)?しかし、銀行強盗というある意味使い古されたネタでこれだけ面白くストーリーを組み立てたのはすごいと思う。
ただ、ストーリーだけでいうと、犯人が人質にまぎれるとか、隠し部屋で耐えるとか、なんかで観た気がするなぁって印象も受けるが、それを脚本で面白くしたなぁという印象だ。
すでに使われたアイデアを面白くさせる方法として、ストーリの初期から犯人が人質にまぎれることを時系列を崩してはさみこんでいる。またいっちばん最初にダントンが小部屋にいることを暗示していて、それを銀行強盗が成功してから最初のシーンを繰り返す。こういうテクニックがうまいことはまったんじゃないかな。
そして何よりも、贅沢に使った俳優達が繰り広げる心理戦である。心理戦を演じるには演技力が必要だが、そういうところにデンゼル・ワシントンやジョディー・フォスター、ウィレム・デフォーを持ってきて、余裕を見せるダントンにあまり有名ではない人を持ってくるのはうまいな。だから、最後に勝つ、主役とも言える犯人側に無名な人たちを据えて、対決する側に有名どころをもってきたのか、と。まぁ、最も犯人側はほとんど覆面だったから、ウィレム・デフォーとかを使うのはもったいなさ過ぎだが(笑)
また最近のスパイク・リーは映像がきれいですね。昔の人懐っこい画じゃなくて、スタイリッシュですっきりした画に変わってきましたね。俺はこういう画を使うスパイク・リーも好きですね。
ちょっと最後をスマートにおさめようとしすぎた感があって、盛り上がりに欠けるところがあったが、いい映画といえるのではないだろうか。