「フットルース」 1984年 アメリカ

フットルース [DVD]

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 いまやいい年になっているケビン・ベーコン。俺にとってインビジブルの印象が強い人間にとっては意外なことに、この映画では2枚目扱いなのだ(笑)
 青春、高校生が一人の大人になっていく過程を、音楽やダンスを通じで描いた作品である。そして自立していく子を持つ両親が”子離れ”する過程から、家族愛も描いている。清々しいほどにストレートな青春映画である。わざとらしいぐらいに(笑)
 でも、たまにはそんなストレートなのもいいじゃない。たまには頭からっぽで、心で感じたいときもあるのさ。

 あらすじ
 レン(ケビン・ベーコン)はシカゴの大都会から、ド田舎に引っ越してきた。その町では牧師として20年間、町の人々を導いてきたムーア(ジョン・リスゴー)により、ダンスやロックが厳しく制限されていた。都会育ちのレンはそんな田舎がくだらないと思っていた。
 町の学生達はレンをあこがれと好奇の目でみて、いやでも目立った。そのため、不良のチャックらにチキンレースを挑まれ、レンは受けてたつ。本当はレンはチキンレースで負けるはずだったが、ひょんなことで勝ってしまう。
 きれいなエリエルは都会に行きたい、遊び盛りの女子高生だ。そんなエリエルは都会から来たかっこよく強いレンにほれる。しかしエリエルはムーアの娘で、厳しい父親に反抗したい一心だったのだ。
 レンはなぜダンスがだめなのか、ロックがだめなのか、エリエルや友人達と町を抜け出てディスコに行った帰りに聞くと、その理由を伝えられる。ししてレンは”この町で”ダンス・パーティーを開こうと決心するが…

 <ここからネタバレの可能性あり!!>
 この映画はストレートだけど、いろいろなメッセージを持ってますね。レンとエリエル、レンとムーア、エリエルとムーア、そしてムーアとその妻。それぞれの人と人の関係(母親の台詞を借りれば1対1の関係か)の間にある、誤解や感情をぶつけ合い、それぞれが自立していくのだ。
 この映画の主題ではないが、俺はそのままサクセスストーリーなレンとエリエルよりも、ムーアとその妻の間、そしてムーアとエリエルの間の関係の方が面白かったなぁと思う。ムーアは決して間違った人間ではない。自分の強い意志でもって人々を幸せに導こうと努力していたのだ。けれどもその責任感の強さ故に過剰な反応をしてしまい、また自分以上に牧師としての役割を”演じて”しまっているが故に娘とのコミュニケーションに食い違いが発生してしまった。
 そんなムーアの心をレンが打ち砕き、自らの非を素直に認め、町の人々に対して自分で接することでエリエルとの関係が一気に解決に向かったのだ。本来、エリエルも父を愛していた。特にあの本を焼き払いかけたときのムーアの接し方は、ムーア自身を出していて、その時はエリエルも父を認めていたのだ。
 そんなムーアを演じきったジョン・リスゴーはやっぱりいいね。名バイプレイヤーと言えるのではないだろうか。
 さて、ムーアのことばかり書いていたが、ケビンベーコンもいい演技だね。てか彼ってダンスも踊れるんだということにビビった。そして確かに男前だね。リバー・フェニックスにちょっと似てると思った。