「ご冗談でしょう、ファインマンさん」

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

 ノーベル物理学賞受賞者として有名な、リチャード・P・ファインマンの自伝。
 理論物理学者や数学者らしい、ユーモアと好奇心にあふれていて、そして大学教授らしく(?)一風変わったユニークな科学者、それがファインマンだ。
 そのファインマンが幼少の頃に電気にはまってラジオを修理し、いちいち自分でやった方が楽なのに、がんばって装置を作って楽をするというある意味矛盾だけど(ギャンブラーが数学の確立を必死に勉強するみたいな)、理系の俺にとっては"あーわかる!"ってことや、大学に入ってからマンハッタン計画に参画すること、そして教授になり世界各地で知ったことや、趣味のボンゴの話、とさまざまな角度のファインマンを見せられる。
 でも逸話はいろいろだけれども、ファインマンらしさは常に一貫している。それは"素直であること"である。対象がボンゴだろうと、日本だろうと、物理だろうと、絵だろうと、常にファインマンは素直で、まっすぐに対象に向き合っている。真正面から向き合っているのだ。素直に、真正面に、真っ正直に。
 それはファインマン自身もわかっていて、最後のスピーチでも"素直であれ"といっている。それは簡単なようでとても難しい。でもそれをやってのけた結果がノーベル賞なのだろうなと感じた。俺も真っ正直とは言えないながらも少しは素直になろう。。。