「生物と無生物のあいだ」を読んで

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

 amazonで大絶賛の本書ですが、正直そこまでとは思えなかった…生物の神秘という意味では、去年よんだ生命40億年全史の方がダイナミックで本当に面白かったなぁと思う。結局生命とは何か?という問いに対して、自分に納得できる解はなかった。
 でも、"生命とは動的平衡である"という概念はとても面白く、興味深い。"あら久しぶり"という相手は、前に会ったときの物質では出来ていない。生命とはただの淀みでしかないのだ。でもなぜその淀みは維持できるのか。平衡を続ければなぜ淀みは淀みでい続けられるのか、というところをもっと聞きたかったなぁ。確かに文章はとても科学者とは思えないキレイさではある。
 また、細胞の仕組みを詳細に教えてくれたのは素直に楽しかった。なんでこんな仕組みが出来上がったのか…著者が言うように、とても偶然の突然変異なんかで出来上がったとは思えない。また、遺伝子をノックアウトした生物が何もないように活動できる。それは突然変異に対抗するために必要な仕組みではあるが、そのたくましさ、精巧さ、複雑さにはただただ驚くばかりである。
 確かに読んで絶対に損はしない本である。