リメイク版天国と地獄

 猿真似ならリメイクなんてするんじゃねぇよ。しかもすべての面で斜め下をいきやがって。
 何が現代版にリメイクするだ?携帯電話とパソコンが出てきた以外に何か現代的なことがあったのか?クソったれが。
 佐藤浩一はまだいい演技をしたな。でもなぁすべては警察(とくにあの女警官)と妻夫木がつぶしやがった。なんなんだよあの女警官は?大根役者もいいところだ。演技下手すぎ。妻夫木?なんだよあれ?
 あのなぁ、あの映画は頂点に対する底辺の憎しみなんだよ。妻夫木のどこが底辺なんだよ?あの不自然なボロ屋でそれを表現したつもりか?それであのおしゃれな髪の毛と服装はどう説明するつもり?どこに憎しみの感情があった?原作ではあんなにヘラヘラ笑っていたか?
 このクソドラマの責任は製作陣と監督にある。ベテランや人気俳優を一通り取り揃えればいいと思ってんのか?あのクソリメイク第3弾「椿三十郎」の番宣のために無理やり作ったんじゃないのか?
 監督の演出もひどい。最初の観覧車から双眼鏡できらきらさせるところから、丘の上の家の貧相なこと、妻夫木を尾行するシーンのつたなさ、壁にカメラマンが映りこんでいたり、寂れた港にあんなに人がいるわけないだろとか、尾行のシーンが無駄に長いとか肝心の口調が昔のままだしと取り上げたらきりがない。
 黒澤の映画は長くても無駄が一切無いんだよ。それに比べて無駄の多いこと。
 このセリフは言いたくなかったが言おう「リメイク版天国と地獄」を撮った映画スタッフは全員、地獄に落ちるがいい。
 ただし、これを元に黒澤映画を観る人が増えたのであれば、一定の意味はあったとしよう。

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