「イングロリアス・バスターズ」 2009年 アメリカ
イングロリアス・バスターズ公式HP
クエンティン・タランティーノが監督で、ブラッド・ピットが主演とあってはほっとけない。本作でもタランティーノらしい、グロテスクでパロディーがちりばめられたバイオレンスをいやと言うほど見せつけてくれる。ブラッド・ピットは確かにタランティーノ的なバイオレンスにあいそうなのに、むしろこれまで出演していなかったのが不思議なほどマッチする。ファイト・クラブの時のブラピな感じ。
タランティーノらしい、5分〜10分ぐらいの小さなストーリーがまた面白い。漢!って感じの話がいいね。そしてもう一つタランティーノらしいのが、きれいな、けど強い女の子というキャラ。今回もその女の子のストーリーがいい。
ただ、全体としてみると153分という長さが重たい。というか無駄なシーンが多いし、シリアスにしたいのかパロディーにしたいのかどっち付かずで、シリアスさがパロディーを、あるいはその逆でいい効果を打ち消してしまっているような感じがして、ちょっと残念な感じ。
<ここからネタバレの可能性あり!!>
あらすじ
ナチス占領下のフランスで、ユダヤ人のショシャナ一家はとある農家の地下に匿ってもらっていた。その家にナチスのランダ大佐がやってくる。ナチス・ハンターとあだ名されるランダによって、みごとショシャナ一家は発見されて皆殺しにあう。唯一ショシャナだけが命からがら逃げ延びる。
一方、レイン中尉率いるアメリカ軍の秘密部隊「イングロリアス・バスターズ」はそんなナチスたちを残虐な手段で殺戮し、ナチスたちを震え上がらせる。レイン達はヒトラーやゲッペルスをはじめとするナチス枢軸が一同に集まる映画祭が開かれることを知り、一気にこの戦争にケリを付けようとする。
その会場に選ばれたパリの映画館は何と実は命からがら逃げ出したショシャナが、名を変えてオーナーになっていて…
いやー、最初のランダ大佐と農家のやり取りがかっこいいですね。というか、このランダ大佐の役がものすごくかっこ良くていい味だしてますね。てっきりティム・ロスかと思ったのですが、クリストフ・ヴァルツという人なんですね。多国語を操れることから選ばれたのですかね?
そして、あのインディアン・ゲームみたいなことをするバーでのシーン。あそこはまさにタランティーノらしいシーンですね!かっこいい!
ショシャナはキレイだしいい役だったと思うけど、あれ、いりますかね?このストーリーはむしろ切り離して別の映画のネタにでもすればいいのにとか思いつつ。いや、ちがうか、むしろブラッド・ピットのふざけてるシーンがいらなかった気がするな。うん。ブラッド・ピットのバスターズを外していればもっと面白かったかも知れないな。映画の大前提を外してしまうが(笑)
最後もランダが良かったですね。てかあのシーンはこだわり過ぎだろというぐらいリアルに傷が付けられてましたね。まぁ何だかんだと楽しかったのですが、何かもったいない印象が残った映画でした。